学校日記

感動、そして涙! 第67回卒業証書授与式

公開日
2014/03/14
更新日
2014/03/14

校長室だより

 3月13日(木)、本校アリーナにおいて、第67回卒業証書授与式が挙行され、卒業生182名が本校を巣立ちました。
 今年は、3年前、小学校の卒業式ができなかった生徒への思いも込め、在校生合唱「明日の空へ」にも取り組みました。
 卒業生、在校生ともに、態度、式歌ともに立派であり、厳粛な中にも、感動ある卒業式になったと思います。私としては、特に、卒業証書授与の際、一人一人の生徒が、私と目を合わせ証書を受け取ってくれたことに大変感動し、うれしく思いました。
 卒業生の前途に幸多かれと改めて祈念いたします。

式 辞
(前半 省略) 
 さて、みなさんのこの中学校生活三年間は、東日本大震災と正に重なる三年間でした。
 三年前、小学校卒業を目前にひかえた今頃、どんな気持ちで小学校最後の日々を過ごしていたのでしょうか。卒業式もままならない状況の中、大きな不安を抱えながら過ごしていたことを思うと、本日、立派に成長した姿を見るにつけ、誠に感慨深いものがあります。
 
 震災直後の当時、気仙沼市のある中学校の生徒会長の卒業式での答辞が全国的に反響を呼びました。『苦境にあっても「天を恨まず」運命に耐え、助け合って生きていくことがこれからの私たちの使命です』と言いきった十五才。この言葉を聞いたとき、身が震える程感動したことを覚えています。
 この大震災で、私たちは、「命の大切さ」や「絆」の大切さ、そして、人として、「どう生きていかなければならないか」など、多くのことを感じ、考え、学びました。そのことを、生涯忘れることなく、皆さんの人生の糧にしてほしいと思います。 また、この「絆」という言葉が繰り返し使われる中、「絆」とはいったい何かと考えたとき、実は、特別の時や緊急の時にだけ求められるのではなく、むしろ、何気ない日々、日常生活の中にこそ「思いやり」、「やさしさ」、「助け合い」がなければならないと強く感じさせられました。
 毎日、何気なく送っている生活こそが、その人をつくる。普段の生活が、その人の人生の「ねっこ」になると思います。
 あいさつを元気よくしているか。
 早寝早起きができているか。
 食事をしっかり食べているか。
 時間を守って行動しているか。
 整理整頓を心がけているか。
私生活がめちゃくちゃで勉強が、スポーツが、仕事ができるはずがありません。
 震災当時、話題となった岩手県陸前高田の「奇跡の一本松」を覚えていますか。正に、しっかりした根を張っていたからこそ、大きな津波にも負けず、立ち続けることができたのです。根は、土の中にあり、普段は目に触れることはありません。しかし、根を育てることを怠れば、太い幹も、枝葉を広げることも、花を咲かせることができません。
卒業生の皆さんの将来は明るい、しかし、楽しいことばかりではありません。むしろ、苦しいことの方が多いかもしれません。「思いやりとやさしい心」をもって、毎日の生活を大切にし、自分の人生の「ねっこ」を広く、深く育ててほしいと思います。
 そして、将来、その育て上げた大樹に人生の大輪を咲かせ、社会に貢献できる立派な大人になってほしいと願っています。
 豊かな人生を切りひらく力は、人間のねっこを育てる過程で培われ、日々の生活の中で育てられるものであることをみなさんには忘れないでほしいと思います。 
 本校、校歌最後の歌詞「前途は、花と咲き匂う」のごとく、卒業生百八十二名の皆さん一人一人が、どんな花をどのように咲かせるかを楽しみに、幸多き人生となることを心より祈念いたします。
(後半省略)

 
 平成26年 3月13日 

                      伊達市立梁川中学校長 鈴木昭夫

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