おじいちゃんは
老いから手足が不自由で
トイレも1人では厳しい。
だから、いつもはおばあちゃんが
下の世話をしてた。
おばあちゃん以外が
下の世話をするのを嫌がったからだ。
ある日、
家に私とおじいちゃん2人になった。
おばあちゃんが倒れてしまい
母と兄は病院、
父は会社から直行したからだ。
おじいちゃんと留守番してると
申し訳なさそうに
「○○ちゃん、悪いんだがトイレに・・・」って
言った。
私は本当に馬鹿だなって思った。
一人じゃ行けないの知ってたくせに
気が付いてあげられないなんて
孫、それも女には
言いづらかっただろうなって。
トイレに行くと
パンパースが小と大で汚れてた。
たくさん我慢させてしまった。
私はおじいちゃんの気を反らそうと
学校であった笑い話を精一杯明るく話した。
お風呂場で体を洗って
パンパースつけてホッとした。
同時に、おばあちゃんは毎日
これをしてるんだと思うと
何とも言えない気持ちになった。
そして「悪かったね、ありがとう」って
五千円をくれようとした。
おじいちゃんは本当に馬鹿だなって思った。
私が赤ちゃんの時、両親は共働きでした。
おしめを変えて育ててくれたのは
貴方じゃないですか。
幼稚園だって塾の送り迎えだって
してくれたのは貴方じゃないですか。
あれは無償の愛でしょ?
私はおじいちゃんが大好きだよ。
だからお金なんかいらないんだよって
言った。
2人してちょっと泣いた。