努力の上に辛抱という棒を立てろ
- 公開日
- 2014/08/15
- 更新日
- 2014/08/15
感動するいい話
この頃(10歳頃)、
僕にとって忘れられない出来事があります。
ある日、友達の家に行ったらハーモニカがあって、
吹いてみたらすごく上手に演奏できたんです。
無理だと知りつつも、家に帰って
ハーモニカを買ってくれと親父にせがんでみた。
すると親父は、「いい音ならこれで出せ」と
神棚の榊(さかき)の葉を1枚取って、
それで「ふるさと」を吹いたんです。
あまりの音色のよさに僕は思わず聞き惚れてしまった。
もちろん、親父は吹き方など教えてはくれません。
「俺にできておまえにできないわけがない」。
そう言われて学校の行き帰り、葉っぱをむしっては
一人で草笛を練習しました。
だけど、どんなに頑張ってみても一向に音は出ない。
諦めて数日でやめてしまいました。
これを知った親父がある日、
「おまえ悔しくないのか。
俺は吹けるがおまえは吹けない。
おまえは俺に負けたんだぞ」
と僕を一喝しました。続けて
「一念発起は誰でもする。
実行、努力までならみんなする。
そこでやめたらドングリの背比べで終わりなんだ。
一歩抜きん出るには
努力の上に辛抱という棒を立てるんだよ。
この棒に花が咲くんだ」
と。その言葉に触発されて
僕は来る日も来る日も練習を続けました。
そうやって何とかメロディーが
奏でられるようになったんです。