オカンの日記
- 公開日
- 2014/09/11
- 更新日
- 2014/09/11
感動するいい話
俺のオカンは左目が見えない。
なんか若い時に病気か怪我か何かで見えなくなったらしい。
聞きゃあ教えてくれると思うけど聞いたことはない。
幼稚園の頃に周りの園児に「お前のオカンは目が見えん」とかで俺はのけ者にされていた。
今、思うとこの頃から自分はオカンのせいでこんな目にあっているとオカンを恨んでいた。
小学校低学年の頃、オカンと買い物に行くのが周りでは当たり前だったが俺は1度も行ったことがない。
オカンに行こうと言われても絶対に行かなかった。
中学の頃の授業参観や体育祭にも1度もオカンを呼ばなかった。
人と違う母親が何か恥ずかしくて…周りに馬鹿にされるんじゃないかと思って。
高校の進路相談の時も別々に学校に行き、別々に教室に入った。
オカンは教室がわからなくて廊下をウロウロしてたらしい。
まぁ俺みたいなDQNはもちろん大学には行けず、ニート決定。
こんなクソみたいな俺に文句1つ言わないオカンの理由がこの頃にわかった。
アホな俺は親の部屋で、親の通帳を探していた時、タンスの中から日記らしきノートと俺名義の通帳を見つけた。
日記の内容はオカンの日記だった。
自分がこんなんだから俺がイジメられてないか。
自分がこんなんだから絶対に俺のいる学校に行ってはダメ。
自分がこんなんだから俺が自分のことを嫌いなんじゃないか。
自分がこんなんだから俺の為に人1倍がんばらないと。
こんな感じのことがノート3冊くらい書いてあった。
オカンは俺じゃなくて自分を責めていた。
俺名義の通帳にはコツコツと貯められている結構な額があった。
俺は1円も貰う価値のない人間なのに。