☆送れないメール☆
- 公開日
- 2014/10/16
- 更新日
- 2014/10/16
感動するいい話
俺の彼女はよく風邪をひく。
付き合って3年、
風邪をこじらせて入院する事今までで4回。
退院すると、
「心配かけてごめーん」
なんて、へらへら笑って。
だから、今回だってそうやって
帰ってくると思ってた。
「今日も忙しい?」
仕事の片付かない夜9時を回った。
オフィスで、入院中の彼女から
メールが来た。
忙しいなんてもんじゃない。
明後日、凄く大きな商談があるんだ。
昼間は営業に回って、夜プレゼンの資料を
作らないととてもじゃないが間に合わない。
彼女が入院して一週間、仕事に追われてて
見舞にも行けてない。
申し訳ないとは思いながら、とにかく
目の前の仕事をなんとかやり遂げたかった。
明後日無事にプレゼンが終わったら、
顔でも見に行ってやろうかな。
花買っても、お菓子じゃないの〜とか、
子供みたいな事言うんだよな。
病人なんだから、
菓子ばっかり食うなってのに。
仕事しながらも、
彼女に会えるのが楽しみだった。
だから、仕事も頑張れた。
ようやく家に帰れると思った深夜11時、
彼女から電話が来た。
正確には彼女じゃない、
彼女のお母さんだった。
風邪から肺炎を起こして、
こじらせて呼吸障害を起こして亡くなったと
何を言われているのか、わからなかった。
とにかく、タクシー捕まえて病院に行った。
病院までの時間が、いやに長く感じた。
俺が見た彼女は白い服を着て、
手を握り合わせて、じっと目を閉じていた。
肺炎で呼吸障害なんて嘘のようだ。
こんなに顔、綺麗なのに。