学校日記

卒業証書授与式 124名、本校を巣立つ!!

公開日
2016/03/11
更新日
2016/03/11

校長室

  • 541264.jpg
  • 541265.jpg
  • 541266.jpg

https://date.schoolweb.ne.jp/0720037/blog_img/13652217?tm=20240822110216

https://date.schoolweb.ne.jp/0720037/blog_img/13659581?tm=20240822110216

https://date.schoolweb.ne.jp/0720037/blog_img/13665266?tm=20240822110216

第五十四回 卒業証書授与式  式 辞

 暖かい陽射しに木々の芽もようやくふくらみ始め、校庭を吹きわたる風に、春の訪れを感じる、今日の佳き日、多数のご来賓、保護者の皆様方のご臨席を賜り、第五十四回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもちろんのこと、教職員一同、この上ない慶びであり、心より感謝申し上げます。  
 さて、ただ今、卒業証書を手にした百二十四名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
 皆さんは、入学以来、勉学に、部活動に、そして、生徒会活動に積極的に取り組み、数々の輝かしい実績を残し、伊達中学校の伝統に、また新たな一ページを付け加えてくれました。
 運動部関係での県北大会、県大会、東北大会等での活躍ぶりは伊達中学校生徒として胸のはれる素晴らしい活躍でした。
 文化部関係でも、吹奏楽部、華道茶道部、情報科学部も各種大会、コンクール、桃花祭等での活躍も大変立派でした。
 学習面でも、英語弁論大会、少年の主張大会、各種作文コンクール、書写コンクール、造形審査会、理科作品展など県レベルで優秀な成績を残してくれました。
 一方、「校内体育大会」や「桃花祭」においては、各学級が一丸となって取り組み、爽やかな汗を流すとともに、学級一体となった各種の発表やビッグアートの作成、心を一つにして歌い上げた「校内合唱コンクール」など、いつまでも心に残る素晴らしい思い出となりました。
 このように素晴らしい成果と思い出を残すことができたのは、常に「文武両道」の精神をもち、ひたむきに努力する「強い心」、先生方の真剣な指導をしっかりと受け止める「素直な心」、そして、みなさんを支え励ましてくださった保護者の皆様方や地域の方々に対する「感謝の心」があったからこそだと思います。これらの学習や活動の中で味わった「喜び」、「悔しさ」、そして「流した涙」は、皆さんの「一生の宝・思い出」になると思います。
 さて、本日、三月十一日は、正に五年前、東日本大震災が起こった日です。震災直後、気仙沼市のある中学校の生徒会長が、卒業式で述べた答辞が全国的に反響を呼びました。『苦境にあっても「天を恨まず」運命に耐え、助け合って生きていくことがこれからの私たちの使命です』と涙ながらに言いきった十五才。当時、この言葉を聞いたとき、身体が震える程感動したことを覚えています。その彼も、今年は成人式を迎え、地元の高専を卒業し、就職するという特別番組を観て、この五年間を改めて振り返ることができました。五年後、皆さんは成人式を迎えます。そして、震災十年目の年にもなります。皆さんは、五年後の自分の姿をどのように思い描いているでしょうか。
 この震災直後、「絆」という言葉が繰り返し使われました。「絆」をどのように捉えたらよいのかと考えたとき、私は、特別の時や緊急の時にだけ求められるものではなく、むしろ、何気ない日々、日常生活の中にこそ「思いやり」、「やさしさ」、「助け合い」がなければならないと強く感じさせられました。
 毎日、何気なく送っている生活こそが、その人をつくる。普段の生活が、その人の人生の「ねっこ」になるのだと思います。
 元気のよいあいさつ、早寝早起き、しっかりとした食事、時間を守っての行動、身の回りの整理整頓。
私生活がめちゃくちゃで勉強が、スポーツが、仕事ができるはずがありません。
 震災当時、話題となった岩手県陸前高田の「奇跡の一本松」の話を思い出してください。正に、しっかりした根を張っていたからこそ、大きな津波にも負けず、立ち続けることができたのです。根は、土の中にあり、普段は目に触れることはありません。しかし、根を育てることを怠れば、太い幹も、枝葉を広げることも、花を咲かせることもできないのです。
 卒業生の皆さんの未来は明るい。しかし、楽しいことばかりではありません。むしろ、苦しいことの方が多いかもしれません。「思いやりとやさしい心」をもって、毎日の生活を大切にし、自分の人生の「ねっこ」を広く、深く育ててほしいと思います。
 将来、その育て上げた大樹に人生の大輪を咲かせ、社会に貢献できる立派な大人になってほしいと思います。そして、その「ねっこ」の原点は、この伊達中学校にあったと言える皆さんの三年間であったと確信しています。
 豊かな人生を切り拓く力は、人間のねっこを育てる過程で培われ、日々の生活の中で育てられるものであることを皆さんには忘れないでほしいと思います。 
 校歌の歌詞「若い力があふれる、若い瞳がかがやく、若い翼が羽ばたく」のように、卒業生百二十四名の皆さん一人一人が、若い力で自らの人生をを切り拓き、幸多き人生を送ることを心より願っています。 
 
 保護者の皆様方、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
 先ほども申しましたように、大震災ともに送った小学校高学年、そしてこの中学校三年間は保護者の皆様にとっても大きな不安の連続だったと推察いたします。しかし、本日、義務教育九ケ年を修了するという大きな節目を迎えられたお子様の晴れ姿に、感激もひとしおのことと思います。心よりお祝い申し上げます。これまでの皆様方の本校教育に対するご理解とご協力、ご支援に対しまして、深く感謝とお礼を申し上げます。
 結びに、この三年間、卒業生を厳しい中にも、温かく見守り、いつも励ましていただきましたご来賓の皆様方をはじめ、地域の皆様、そして、伊達市、教育委員会の皆様、学区内の各校の先生方に心よりお礼と感謝を申し上げ、式辞といたします。

                  平成二十八年三月十一日 
                伊達市立伊達中学校長 鈴木昭夫