立志式 大人への自覚と責任の第一歩!
- 公開日
- 2016/01/29
- 更新日
- 2016/01/29
校長室
1月29日(金)、本校、多目的ホールにおいて「伊達市立志式(伊達中学校)」が行われました。
「立志証書授与」「記念品授与」「式辞」「励ましのことば」「誓いのことば」「決意の手紙依託」「校歌斉唱」の順に式が進行されました。
「立志証書授与」の際の呼名の生徒一人一人の「返事」もすばらしく、お褒めのことばもいただきました。
式終了後、別会場にて、「お祝い会」が行われ、コース料理をいただきながら、テーブルマナーのお話もいただきました。
「立志式」励ましの言葉(抜粋) 校長 鈴木昭夫
伊達市、そして本校では、皆さんに「人間として大人になることへの意識を高め、間もなく本校の最上級生になる」という自覚と責任をしっかり持ってほしいと願い、「立志式」を毎年開催しています。
また、6年後には、国民の祝日とともに「成人式」を迎えることになります。
このように、人生には様々な「式」があり、またその「式」を経験しながら人は成長していきます。入学式、卒業式、立志式、成人式、入社式、結婚式などなどです。また、それらの「式」のことを「人生の節目」という言い方もします。私は、人生の節目節目にその人が何を感じ考え、何を決意するかが大切だと思っています。今までの自分を振り返り、これからの自分を思うことです。
今回の「立志式」を通して、今まで「自分がどう生きてきたのか」をしっかり振り返り、これからの中学校生活、そして社会に貢献できる立派な人間になるために、自分の将来像を描きながら、「自分はどのような生き方をしていくのか」について真剣に考え、自覚と責任ある行動をとってほしいと願っています。
さて、ここで、立志、志を立てる、ということにまつわるお話を2つします。
一つは、昨年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」において、特に前半に登場した「吉田松陰」の話です。テレビを観た生徒の皆さんも多いことと思います。幕末、長州藩の下級武士の家に生まれた吉田松陰は、幼少の頃から叔父より兵学を学びます。後に「松下村塾」を引き継ぎ、高杉晋作、伊藤博文など幕末、明治維新に活躍する多くの人材を育てます。明治維新の精神的な中心人物であり、激動の時代を生き抜いた人物の一人です。
吉田松陰は多くの名言を世に残していますが、何よりも「志」と「行動」を大切にした人物だったと言われています。
「志を立ててもって万事が源となす」。何事も志がなければならない、志を立てることがすべての源となる。
真実を知り、志を持ち、かつ行動する。その行動によって人生が拓かれる。その行動の原点がまさに「志」です。これが「吉田松陰」の生きるうえでの「哲学」であったと言えます。
もう一つは、「Boys be ambitious. 少年よ 大志を抱け!」という言葉です。この言葉は、本校、この多目的ホール後方にも「be ambitious 志を大きく」として掲げてあります。この有名な言葉は、今から約140年程前、当時、札幌農学校と呼ばれた北海道大学の初代教頭として就任したクラーク博士が残した言葉です。クラーク博士は、日本に来る前は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州農科大学学長でした。北海道開拓に際し、北海道の農場技術を向上させるため日本に呼ばれました。自由、独立、人間尊重を基盤としたクラーク博士の教えは、教え子たちに、その後の北海道開拓に大きな影響を与えるものとなりました。日本に滞在したのはわずか8ケ月だったそうですが、そのような短い期間でも多大な影響を及ぼしたクラーク博士の功績は素晴らしいと思います。「Boys be ambitious. 少年よ 大志を抱け!」という名言は、クラーク博士が帰国する時の教え子たちとの別れの場で生まれたそうです。
さて、この立志式のために皆さんが書いたお父さん、お母さんに宛てた「決意の手紙」をもう一度思い起こしてください。どんな内容かご両親、ご家族の皆さんも楽しみにしていると思います。この立志式を節目に、忘れてならないのが、親、家族への感謝の気持ちです。
皆さんがこの世に生を受け、ここまでやってこれたのは親、そして家族の皆さんの多くの支えがあったからです。私たちは、決して一人で成長してきたわけではありません。お父さん、お母さんも、この14年間、皆さんを育てる中で、思い悩み、心配を繰り返しながら、皆さん一人一人の成長を喜び、優しく見守ってこられたのです。おそらく、これから渡される「親からの手紙」にもそのような温かい、そして思いやりの気持ちの籠った内容が書かれていると思います。これらの手紙のやり取りを通して、生徒の皆さんと親、家族の絆がますます強くなることを期待しています。
本校校歌の歌詞にもあるように、皆さん一人一人が「若い力があふれる、若い瞳がかかやく、若い翼が羽ばたく」伊達中生となり、将来にわたり、社会に貢献できる、やさしく、たくましい人間に成長することを祈念し、立志式の励ましの言葉といたします。