学校日記

凛とした卒業式。 119名が巣立つ!!

公開日
2018/03/15
更新日
2018/03/15

校長室

校長式辞  『大志を抱き、一歩一歩』

 暖かい陽射しに木々の芽もようやくふくらみ始め、校庭を吹きわたる風に、春の訪れを感じる、今日の佳き日、多数のご来賓、保護者の皆様方のご臨席を賜り、第五十六回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもちろんのこと、教職員一同、この上ない慶びであり、心より感謝申し上げます。  
 さて、ただ今、卒業証書を手にした百十九名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 皆さんは、入学以来、学習に、部活動に、そして、生徒会活動に積極的に取り組み、数々の輝かしい実績を残し、伊達中学校の伝統に、また新たな一ページを付け加えてくれました。
 各運動部の県北大会、県大会、また、吹奏楽部の県コンクールでの活躍ぶりは伊達中生徒として胸のはれる素晴らしい活躍でした。
 華道茶道部、情報科学部も各種コンクール、桃花祭、ボランティアなどでの活躍も大変立派でした。
 私にとって、各種大会での応援は、楽しみであり、喜びでもありました。
 学習面でも、高い学力とともに、各種大会・コンクールで優秀な成績を残し、時間が足りないくらいの表彰披露の場面を思い出します。
 一方、「校内体育大会」や「桃花祭」においては、各学級が一丸となって取り組み、爽やかな汗を流すとともに、学級一体となった発表やビッグアートの作成、心を一つにして歌い上げた「校内合唱コンクール」など、いつまでも心に残る素晴らしい思い出となりました。
 このように素晴らしい成果と思い出を残すことができたのは、常に「文武両道」をスローガンに、ひたむきに努力する「強い心」、先生方の真剣な指導をしっかりと受け止める「素直な心」、そして、みなさんを支え励ましてくださった保護者、地域の方々に対する「感謝の心」があったからこそだと思います。これらの学習や活動の中で味わった「喜び」、「悔しさ」、そして「流した涙」は、皆さんの一生の宝・思い出になると思います。
 さて、東日本大震災・原発事故から七年が経ちました。当時、小学生であった皆さんは、このことをどのように受け止め、そして、この七年間、どう思い続けてきたでしょうか。世の中は、一見落ち着いているように見えますが、様々な報道から察するところ、風評被害も含め、復興は道半ばです。将来、皆さん自身が復興の担い手として嘱望さていることは言うまでもありません。

そこで、卒業する皆さんにはなむけの言葉を二つ贈ります。
 一つは、「Boys be ambitious. 少年よ大志を抱け!」という言葉です。
 この言葉は、本校、一階多目的ホールにも「be ambitious 志を大きく」として掲げてあり、立志式の時にも皆さんにお話した言葉です。この有名な言葉は、今から約百四十年程前、当時、札幌農学校と呼ばれた北海道大学の初代教頭として就任したクラーク博士が残した言葉です。クラーク博士は、北海道開拓に際し、北海道の農場技術を向上させるため日本に呼ばれました。自由、独立、人間尊重を基本としたクラーク博士の教えは、教え子たちに、その後の北海道開拓に大きな影響を与えることになりました。日本に滞在したのはわずか八ケ月だったそうですが、そのような短い期間でも多大な影響を及ぼしたクラーク博士の功績は素晴らしいと思います。「Boys be ambitious. 少年よ 大志を抱け!」という名言は、クラーク博士が帰国する時、教え子たちとの別れの場で生まれた言葉だそうです。
 もう一つは、私の大好きな冒険家三浦雄一郎さんの「一歩一歩登り続ければ必ず頂上に立てる」という言葉です。この言葉は、皆さんの「学年だより」のタイトルでもある「一歩一歩」につながります。
 特に、三浦雄一郎さんは、六十五歳からエベレスト登頂を決意し、七十歳、七十五歳、八十歳と三度の登頂に成功し、その挑戦は私たち全ての日本人に、いや、世界中の人に勇気と感動を与えた人です。
 三浦さんは、その著書の中で、
「夢や目標に至る道は一歩、一歩の積み重ねでしかない。山は、一つのわかりやすい目標である。」
「世界の最高峰エベレスト八八四八メートルも、歩幅わずか何十センチの積み重ねである。あせらず、たゆまず、一歩ずつ足を運んでいくしかない。」と述べています。
 そして、三浦雄一郎さんが、北海道大学で学び、クラーク博士の影響を受けていることも何かの縁を感じます。

 自分の「夢・志」をしっかり持ち、「一歩一歩」踏み続ける皆さんであることを期待します。卒業生百十九名の皆さん一人一人が、校歌の歌詞「若い力があふれる、若い瞳がかがやく、若い翼が羽ばたく」のように、自らの力で、自らの人生をを切り拓き、幸多き人生を送ることを心より願います。 
 
 保護者の皆様方、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
 先ほども申しましたように、東日本大震災・原発事故ともに送った小学校時代、そしてこの中学校三年間は保護者の皆様にとっても大きな不安の連続だったと思います。しかし、本日、義務教育九ケ年を修了するという大きな節目を迎えられたお子様の晴れ姿に、感激もひとしおのことと思います。心よりお祝い申し上げます。これまでの皆様方の本校教育に対するご理解とご協力、ご支援に対しまして、深く感謝とお礼を申し上げます。
 
 結びに、この三年間、卒業生を厳しい中にも、温かく見守り、いつも励ましていただきましたご来賓の皆様方をはじめ、地域の皆様、そして、伊達市、教育委員会の皆様、学区内の各校の先生方に心よりお礼と感謝を申し上げ、式辞といたします。   平成30年3月13日   

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