記事

失敗に温かな言葉かけを

公開日
2015/06/29
更新日
2015/09/25

教育長の部屋

 自分の仕事をふりかえるとき、本当に数多くの失敗をしてきたと思う。
若い時、現職教育の担当をした。テーマも忘れてしまったが、学校指定の研究の説明をしていて、学校の方針と違うことを話してしまった。すぐに研究同人の先生から違いを指摘された。思い出したくもない恥ずかしい経験である。
教育行政を担当し、つい受講の先生方の出身地を考えず、自分の地域の優越性、
その優越性を保たねばならないような話をして、受講の先生方に大変不快な思いをさせ反感を持たれた。そのことで私は厳しい指導を受け、ペナルティもあった。
失敗の事実はその通りであり弁解もできず、失意のどん底に落ちた。
しかし、私の場合、こそっとなぐさめてくれる先生、仲間がいてくれた。「気を落とさずに頑張れ」のなぐさめが、失意の自分にはどんなにありがたかったかしれない。その時の温かな言葉に私はこみあげるものがあり、すっとその場を離れてしまったことをはっきり思いだせる。この温かな言葉が、何としても挽回せねばと頑張る気力を奮い立たせてくれたように思う。
 震災後の影響か現在の世相かどちらともしれないが、今、誤りを追及することばが鋭く胸につきささる。失敗をした人達はどんなに深い反省そして失意であろうかと思う。自分は失敗の連続であるが、幸いに周りの温かな励ましで頑張ってこれた。
失敗はあるが事故防止やその他誠意をもって仕事に励み、努力している人達に温かな言葉をかけてやりたい。子どもたちにはそのようになって欲しいと願う。

                  伊達市教育長 湯田 健一